地政学 Geopolitics 中国に立ち向かう Facing up to China
(2010年2月4日)
新たな超大国を迎え入れることと、譲歩することは別だ
台湾はこの60年間、今にも爆発しそうな米中の不信感の接点に位置してきた。1986年にトウ小平はこれを、「米中関係の1つの障害」と呼んだ。だから中国政府が今週、台湾に60億ドル相当の武器売却を決めた米国に対して「強烈な憤激」を覚えると抗議したとき、そこには何か儀礼的なものが感じられた。1979年に成立した台湾関係法により、いかなる米政府も台湾に自衛のための武器を提供する義務がある。..........more
チベット Tibet 巡礼者と発展 Pilgrims and progress
(2010年2月4日 ラサ、シガツェ)
チベットを安定させているのは、まだ抑圧であり発展ではない
首都ラサ市のラモチェ寺(小昭寺)路――この騒がしい路地で2年前に最初に民族主義暴動が発生し、ラサ市を巻き込んだ――の角には、フライドチキンのファストフードレストランが復旧を控え、最後の手が加えられている。反対側には新しく開店した2階建ての喫茶店が、コーヒー、サンドイッチそれにクッションの良いイスを提供している。..........more
アジア事情 Banyan アジアの緊密でない連合 Asia’s never-closer union
地域経済統合への道は限りなく遠い
欧州のそれと比較できる「アジアの大事業」は存在するだろうか? そしてそれは望ましいだろうか? シンガポールの大学教授、東南アジア諸国連合(ASEAN)の外交官、マニラのアジア開発銀行(ADB)の幹部、そして風変わりな日本の首相さえも、みんなが2つの問いに「イエス」と強調する。..........more
トヨタのトラブルが深刻化 Toyota’s troubles deepen 即効薬はない No quick fix
世界最大の自動車メーカーが受けたダメージは長引きそうだ
自動車業界では乗用車のリコールは日常茶飯事である。適切な対応がなされれば、問題の自動車メーカーが長期にわたってその影響を受けることはまずない。しかし今トヨタ自動車を巻き込んでいる災難は、様相を異にしている。まだ日の浅い世界最大の自動車メーカーとしての地位が脅かされているだけではない。..........more
日本のぜい弱な新聞 Japan’s vulnerable newspapers 揺らぐ大新聞 Teetering giants
日本の新聞の状況は見かけより悪い
先進世界全体でここ数年、新聞社が大敗北を被っているときに、ある1つの先進国の新聞社はちょっと肩をすくめただけだった。日本の新聞社は間違いなく世界最大だ。読売は朝刊1000万部、夕刊360万部を売っている。日本の新聞は政治家および企業と密接に結び付いているので、ニュースは、飛び出すというより漏れ出してくる。それでも大新聞は揺らいでいる。..........more
中国の金融システム China’s financial system 赤い霧 Red mist
世界第2の金融システムで誰が重要かはほとんど理解されていない
10年前には中国の金融的影響力は微々たるものだったが、今では中国の上には米国しかいない。時価総額で見て、中国は世界4大銀行のうち3行を保有し、2大保険会社と世界第2位の証券市場を持ち、投資ファンドも続々と増えている。だが中国において誰が決定権を持つかは、ほとんど理解されていない。 ..........more
コペンハーゲン後の炭素市場 Carbon markets after Copenhagen 息を止めるな Don’t hold your breath
なぜ炭素価格はもっと下がっていないのか?
炭素市場で奇妙なことが起きている。炭素市場は完全に政治的な創造物である――最も独創的な金融工学者でも独力では、人の呼気と吸気の価値に差を付けるという案は思い浮かばなかっただろう。それなのにトレーダーたちは、政治が発する合図にずいぶん無関心なようだ。..........more