------------------------------------------------------- 今週のエコノミスト:5月17日号 ------------------------------------------------------- Barbarians at the vault May 17th - May 23rd 2008


1.The UN and humanitarian intervention
 To protect sovereignty,or to protect lives?
◎外国からの支援物資は受け入れるが人的支援は受けない――世界中
 から非難を受けながらも、かたくなな姿勢を崩さないミャンマーの軍事政
 権。国民をみすみす見殺しにしているこのようなひどい政権に対して国際
 社会はなにもできないのか。国家の主権と、人道的な介入のいずれを優
 先させるのか――今、こうしたことについての議論が高まっている。「保
 護する責任」の国際的な合意形成はできつつあるものの、果たしてそうし
 た考え方が自然災害の場合にも適用されるのだろうか。

2.Finance in Asia
 Pots and kettles
◎サブプライム・ローン問題に発する先進国の信用危機は、アジア諸国に
 果たして西側の金融機関は信頼できるのかとの疑問を抱かせる結果に
 なった。特に中国でこの傾向が顕著で、中国の政府系ファンドは、ベアー
 ・スターンズやモルガン・スタンレーで大きな損失を蒙って以来、新たな投
 資に対しかなり慎重になっている。また、西側の規制当局のありかたにも
 疑問を抱いているようだ。

3.Banks
 Barbarians at the vault
◎サブプライム・ローン問題が発覚した昨年8月以来、先進国のほとんど
 すべての銀行が経済的な逆風の中、寒さをしのいでいる。収益も減少し
 ているが、それよりも問題なのは人々の銀行に対する信頼感の喪失で
 ある。特に銀行の公平性と効率性に関して大きな疑問が呈されている。
 今週のエコノミスト誌は、特集記事で銀行が直面している危機について
 の分析を行っている。

4.Disasters in China and Myanmar
 No time to sit back
◎サイクロンがミャンマーを襲って10日後に中国四川省で大地震が発生し
 た。2つの大災害は、災害に対する対応の仕方で、両国の間に全く対照
 的な違いを浮き立たせた。中国は、温家宝首相が現地に急行、現地で
 陣頭指揮に立ち、軍、警察を投入し、外国の支援も受け入れた。だが、
 ミャンマーの軍事政権は、なすところなく放置したままで、あくまで外国支
 援を拒否し、住民はさらなる被害拡大に直面している。このまま見過ごす
 ことはできないとの議論が高まっている。

5.Travel and tourism
 Asia,beware Benidorm
◎新興諸国で、経済の発展に伴って観光旅行に出かける人々が多くなっ
 ている。先進国では1990年代の初めに同様のブームが起きた。英国や
 独の観光客が南欧に殺到した。結果として、多くのホテルが林立し、観
 光化されて貴重な自然が台無しになるという事態が起きた。エコノミスト
 誌は、新興諸国に同じような轍を踏まないよう戒めている。

6.Supply-chain management
 Shrink rapped
◎食糧価格が世界的に高騰する中で、米国のスーパーでは相変わらず
 果実や野菜が棚の上に大量に展示されている。問題は、こうした展示
 販売をすることで10%前後の食品が傷んでムダになることだ。これまで
 の習慣を踏襲した販売方法だろうが、世界の食べ物が得られない人々
 から見れば、もったいないこと極まりない。国連もこうしたことの見直しを
 訴えている。

7.Aviation
 Flying the flag
◎中国が航空機産業に本格参入する。世界の航空機は、主として米国の
 ボーイング社と欧州のエアバス社の2社で生産しているが、この一角に
 食い込もうという壮大な計画だ。中国では急速に拡大している経済の下、
 今後20年間で一般旅客と運輸を合わせて2,800機の航空機の需要が見
 込まれている。だが、費用その他の面で実効性があるのか疑問の声が
 上がっている。

 

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