------------------------------------------------------- 今週のエコノミスト:3月29日号 ------------------------------------------------------- All change? Mar 29th - Apr 4th 2008


1.American foreign policy
 All change? (Leaders)
◎米国大統領選挙の予備選挙が、まだ続いている。その中で、共和党の
 マケイン、民主党のヒラリー、オバマの3候補者は、ブッシュ政権が取り
 組んでこなかった地球温暖化などの政策についても大胆な政策をあげ
 ている。本選挙では、誰が大統領に選ばれたとしても、少なくとも現職の
 ブッシュよりはましな外交政策が展開されるものと世界中から期待され
 ている――中東での破滅的な戦争から身を引く。説教や弱いものイジメ
 をしない。失った友邦を取り戻す――などだ。だが、果たしてそんなに簡
 単に理想が達成できるのだろうか。国益を最優先する伝統を持ち、議会
 の圧力の中、現在とさほど違った選択ができず、人々は失望感に包まれ
 るかもしれない。

2.Tibet and the Beijing Olympics
 A sporting chance (Leaders)
◎オリンピックは、しばしば「政治的なイベント」と化す。開催国にとっては、
 国力を内外に示すチャンスであり、また抗議行動に訴えたい人々にとっ
 ては、世界中に宣伝する格好の場でもある。特に中国の場合、オリンピ
 ック開催地の選出を求める際に、これが中国の「改革開放につながる」
 と強く訴えてきたいきさつもある。果たして宣伝は本物なのか。今回のチ
 ベット騒動への対応とその後の動きが、北京オリンピックの成功にとっ
 て大きな試金石となるだろう。

3.Rice and politics
 Needed: a new revolution (International)
◎穀物の価格が上がっている。特にアジアでは、主食の米の価格が値上
 がりしていることから、フィリピンやインドネシアなど、米を輸入に頼らな
 ければならない国家は打撃を受けている。従来の米の輸出国が、国内
 での価格高騰を受け、輸出規制をする動きが出ているため、米の確保
 に一苦労している。問題を根本的に解決するためには、耕地面積を増
 やしたり、安易な工業化で水田をつぶさないよう政策的に規制するとい
 ったことが求められている。

4.Baseball in Japan
 The old ball game (Business)
◎米メジャーリーグ(MLB)の開幕戦が、3月25日に東京ドームで、日本の
 スタープレイヤーだった松阪投手を擁するレッドソックスとアスレチックス
 との間で行われた。MLBがグローバル化している格好の例だ。試合は
 レッドソックスの勝ちだったが、真の勝者はMLBだったといえる。MLB
 はビジネスとして大きな利益を上げて成功している。その結果、選手に
 も高級を支給できる。選手1人当たりの平均年収は日本のプロ野球選手
 の5倍にも達している。これでは、フリーエージェントになったスター選手がメ
 ジャーに行きたがるのもうなずける。MLBの2軍化させないためにも、日
 本のプロ野球の経営改革が望まれる。

5.Banking
 The regulators are coming (Leaders)
◎米国の連邦準備理事会が、投資銀行ベアー・スターンズの救済に踏み
 切り、同様に他の証券会社への直接貸し付けに合意することで、自分た
 ちの規約を書き換えた。本誌は、これは崩壊の危機に直面した金融シス
 テムを救う決断だった、と賛辞を送った。だが、金融業界においても他の
 業界同様、統制はあるべきだ。国民の税金を使って国が救済に乗り出す以上、
 安易に発動されるべきではない。今週、米財務長官もこの点について言
 及している。救済はあくまでも最後の手段であり、金融機関サイドも痛み
 の伴うものでなければならないだろう。

6.Taiwan
 Ma's horse comes in (Asia)
◎台湾の総統選挙は、野党・国民党の馬候補が、大差で勝利した。接戦
 になるだろうとの事前の予想を覆しての勝利だった。中国との直接交流
 をすることで、観光客や貿易が増えて経済が浮揚すると訴えた馬氏の政
 策が国民の心をつかんだ。馬氏は台北市長時代に市を活性化すること
 に成功しており、その手法を使い、1300億ドルを道路、鉄道、港湾などの
 インフラ整備につぎ込み、将来見込まれる貿易の増大に対応するという。

7.Economics focus
 Divine intervention (Finance & Economics)
◎ドルの下落が続いている中、外国為替市場に間もなく中央銀行が介入
 するのではないかとの観測が広がっている。4月11日に催されるG7の会
 合では、このことが確実に議題にのぼるだろう。すでにそうしたことを示
 唆する発言が、EU総裁や日本の財務大臣から出たため、3月17日以降、
 円高やユーロ高は、少し緩まりつつある。しかし、すべての介入が良い結
 果を出しているとはいえない。中央銀行の介入はどんな条件下でその効
 力を発揮するのであろうか。

 

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