2008年6月14日号の注目記事


 Aboriginals in Canada  (The Americas)
 Finding their voice

 オーストラリアでも今のラッド内閣が、過去の先住民族に対する同化政策など人権無視の行為に対し謝罪するということがあったが、今度はカナダでも同様の謝罪が行われることになった。

 カナダでは、1870年から1996年にいたるまで、15万人の先住民族(イヌイット、メティスと称される先住民と英、仏毛皮商との混血の人々)が、家から強制的にキリスト教の全寮制の学校に入学させられ、多くが性的、肉体的な虐待を受けたといわれている。6月11日に、ステファン・ハ―パー首相が国会で、過去の行為に対する無条件の公式な謝罪を行った。謝罪には、先住民にたいする20憶ドルの補償金が伴っている(オーストラリアでは謝罪だけで補償金はなかった)。こうした謝罪が行われた背景には、過去の虐待が法廷に持ち込まれる恐れがあり、それを意識してのこととみられる。また、同国では過去に(1885年から1923年まで)中国カナダ人に対する人頭税をかけていたことも批判の対象となっていたことからハ―パー首相は最近謝罪している。


 Beer (Business)
 Hands off our Bud

 米国の代表的なビールといえば何といってもバドワイザーだろう。ところが、そのバドワイザーが、外国企業に買収されようとしている。同社は6月9日に、ベトナムでの販売を開始すると発表したばかりだ。ところが、その2日後にバドワイザーを醸造しているアンハイザー・ブッシュ社に対し460億ドルの買収提案がされたのである。

 買収を仕掛けたのは、ベルギーに本社を置く世界第1位のビールメーカー、インベヴ社。ここ数週間、インベヴ社が買収するとの話は噂になっており、アンハイザー・ブッシュ社の株価を押し上げていた。まだ提案の1株65ドルには届かないが、それでも成立すれば両社にとってもいい話だ。目下のところ、株の4%を所持している創業者一族の間では対応に意見の対立があるとのことだが、他の大株主には提案次第で応じる動きもある。インベヴ社としても米国内の販売を拡大できるとのメリットがある。

 米国内ではこの外資の買収のニュースに、アンハイザー・ブッシュ社に対して「よその国には売るな」との愛飲者の反対の声が殺到している。それにしても、この話は米国の経済的な力の凋落を象徴しているようだ。


 Teaching in English in Hong Kong (Asia)
 The cat got your mother tongue?

 香港政府は6月6日、従来は広東語以外は禁止していた中学校での語学教育を、来年からかつての植民地言語である英語に転換してもよいと発表した。同市の5分の4の中学校500校を対象にしたもので、もともとこうした教育政策は、香港が英国と中国の双方から独立した存在だと主張する意図があったのだが、香港返還から10年目にしての政策変更となった。こうした変更の背景には、子供たちの将来のためには英語教育が不可欠との親の熱意があったようだ。

 また、広東語で教育している学校では英語教育の生徒に比べ大学進学率が劣るとの研究発表があったことも、親の要望を高めている一因だ。香港では喫茶店から銀行に至るまで、両言語が話せる人間を必要としているとか、給料が高いという事情もあるようだ。



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