2008年6月7日号の注目記事


 Terrorism (Leaders)
 A radical new strategy: kill fewer Muslims.

 最近、国際テロの主犯ともいえるアルカイダの内部で、造反運動が起きているといわれている。CIAの長官も、イデオロギーの分野でアルカイダが内部攻撃を受けていることを認めている。この点に関し、米国のニューヨーカー誌の6月2日号で、ローレンス・ライトが、オサマビン・ラディンの副官のザワヒリの仲間であったアルシャリーフの理論を紹介している。この人物はエジプトの牢獄に収監されているが、牢獄の中から、アルカイダへの理論的な攻撃を行っているのだ。アルシャリーフは、イスラム教では目的は決して手段を正当化しないとし、キリスト教徒やユダヤ教徒を殺すことが正当化されるのは、イスラム教徒を攻撃した時だけだという。だから、9.11の事件では米国の保護を受けて米国のビザを使って入国して犯罪を犯したことは、「裏切り行為だ」という。

 同じようなことをニューリパブリック誌も、ピーター・バーゲンとポール・クルイックシャンクの論文の中で言っている。アルカイダの無差別暴力が多くのイスラム教徒を殺害したことで、イデオロギーを巡る反対運動が起きているという。こうしたことが、イラクのスンニ派の人々が米軍側につく一因にもなっているようだ。もっとも、暴力の矛先が西洋人だけに向けられるとなると、かえって始末に負えないが。


 Brazil and the Amazon  (The Amercas)
 Welcome to our shrinking jungle

 ブラジルのアマゾン川流域の広大なジャングルが、違法な森林伐採によって毎月削られている。同国の環境省は森林伐採をやめさせようと必死だが、土地の所有権がはっきりせず法的な網がかけにくいうえ、食料価格の高騰が大豆や牧畜業者の違法伐採に拍車をかけているようだ。

 森林伐採問題に力を入れているのはつい先日就任したばかりのミンク環境相。独や国内の北部の州の首長に次々と会っては、アマゾン流域の違法伐採問題の対策を話し合っている。

 人工衛星で森林の状態を調査している国の研究所が6月2日に発表したところでは、森林は大幅に後退し、雨季にもかかわらず3月から4月までの2カ月間で2,000平方キロも縮減したという。それだけ伐採が進んだわけだ。

 このように違法伐採が進んでいる背景には、食料価格の高騰が大きな原因としてあげられている。ブラジルは2004年に世界最大の牛肉輸出国となった。牛を放牧する草地が必要になっている。アマゾン地区の森林の36%は私有地ということになっているが、実際の譲渡証書があるのはそのうち4%に過ぎない。政府も誰の所有物かわからないという。そこで牧場主と伐採業者が共謀してドンドン伐採を進めているらしい。一応、牧場主が森林の権利を伐採業者に譲渡する形にし、伐採後はブルドーザーが入って整地し、牧草を植える。ところが、バイオ燃料熱で大豆が高騰し、大豆農場も拡大。牧場はさらに森林奥地に追いやられている実情だ。


 Electronic tickets  (Business)
 Who needs paper?

 世界の空から、紙の航空券が消滅する。6月1日から、国際航空運送協会(IATA)所属の航空会社240社は、航空券を電子化する。同協会は、国際航空路線の9割を占めており、事実上ほとんどの国際フライトが電子化することになる。

 この電子化の計画は、協会が4年前から研究してきたものである。これまで、紙で航空券を印刷すると1枚10ドルかかっていた。これが電子化されると1ドルで済むという。つまり、9ドルの節約になるわけだ。協会所属各社の航空券は年間4億枚に達しているというから、全体の節約費は膨大になる。協会は今後、貨物便にも電子化を広げていく予定だ。

 電子化されたことで、今後は航空券の紛失といった事態はなくなる。また、自動チェックインなどがスピードアップされるようになる。電子化された航空券は、2次元バーコードの形で携帯電話に転送してもらうことも可能となる。コンチネンタル航空など一部の航空会社は、ワシントンやボストンの空港と提携してそうした実験をすでに始めている。こうした試みは、いずれ野球場やナイトクラブでも採用されるかもしれない。



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