ブラジルのアマゾン川流域の広大なジャングルが、違法な森林伐採によって毎月削られている。同国の環境省は森林伐採をやめさせようと必死だが、土地の所有権がはっきりせず法的な網がかけにくいうえ、食料価格の高騰が大豆や牧畜業者の違法伐採に拍車をかけているようだ。
森林伐採問題に力を入れているのはつい先日就任したばかりのミンク環境相。独や国内の北部の州の首長に次々と会っては、アマゾン流域の違法伐採問題の対策を話し合っている。
人工衛星で森林の状態を調査している国の研究所が6月2日に発表したところでは、森林は大幅に後退し、雨季にもかかわらず3月から4月までの2カ月間で2,000平方キロも縮減したという。それだけ伐採が進んだわけだ。
このように違法伐採が進んでいる背景には、食料価格の高騰が大きな原因としてあげられている。ブラジルは2004年に世界最大の牛肉輸出国となった。牛を放牧する草地が必要になっている。アマゾン地区の森林の36%は私有地ということになっているが、実際の譲渡証書があるのはそのうち4%に過ぎない。政府も誰の所有物かわからないという。そこで牧場主と伐採業者が共謀してドンドン伐採を進めているらしい。一応、牧場主が森林の権利を伐採業者に譲渡する形にし、伐採後はブルドーザーが入って整地し、牧草を植える。ところが、バイオ燃料熱で大豆が高騰し、大豆農場も拡大。牧場はさらに森林奥地に追いやられている実情だ。