2008年5月24日号の注目記事


 Vietnam (Asia)
 Shooting the messenger

 共産主義国ベトナムでは、これまで新聞などメディアに対して「汚職の告発」をするよう奨励してきたが、最近は雲行きが怪しくなってきた。これに対し、新聞は抵抗を続けている。

公務員の汚職については「無制約の」告発をするよう促してきたのは共産党の指導者たちである。こうした告発は、2年前には運輸省での汚職事件――サッカー賭博で公的資金75万ドルを当局者が流用した――の摘発につながり、運輸副大臣が逮捕された。今年2月にも、こうしたマスコミの活躍は「人民の要求」を満たしてきたと、汚職問題に厳しく対応してきた共産党のノン・ドゥック・マイン書記長が賞賛したばかりである。

 ところが、流れが変わってきた。逮捕された副大臣への容疑が取り消され、逆に汚職を報道した2人の記者が、偽りの報道をしたとして逮捕された。また、ネタ元だった2人の元警察官が「権限の乱用」で逮捕されるという事態に発展した。だが、記者の所属している新聞社二社は、前例のないほどの抵抗を示している。「記者を解放せよ」との論説を掲げ、読者からの支持の声が殺到していると伝えている。そして、報道が誤っているならば過去2年間に警察や検察当局がまったくそれを指摘してこなかったと反論している。

 こうしたことは、より大きな汚職につながる危険性があったとか、政権内部の改革派と守旧派との闘争とか、さまざまな憶測を呼んでいる。


 Body art  (United States)
 Tattoo you

 米国でタトゥー(入れ墨)が流行っている。5月中旬にニューヨークで、市のタトゥー愛好者の年次集会が開かれたが、最近ではオートバイのライダーやパンクの青年だけでなく、相当数の一般の家族の愛好者が集まっている。

 この十年間で、安全基準が厳しくなったことに加え、有名俳優やスポーツ選手がタトゥーをするようになって、一般の人々の間に急速に普及するようになった。今や26歳から40歳までの人々の4割が、1つはタトゥーをしているというから驚きだ。同市では肝炎の伝染の心配から36年間もタトゥーが禁止されていた。しかし、1997年に再合法化され、以来1,400店あまりのタトゥーショップがオープンしている。いまやタトゥーは、反抗のシンボルではなく、芸術と見られている。タトゥーを入れている層も、医者、銀行家、主婦とかなりの中流、上流の人々の間に広がっている。また、ナイキ社や清涼飲料水の会社なども、商品の一部にタトゥーのデザインを採用するなどの動きが出ている。最近では、ラスベガスのカジノがタトゥーショップをオープンし始めた。

 タトゥーの図柄としては、かつてはイカリとかピンアップガールなど簡単なものだったが、最近では日本の入れ墨からインスピレーションをうけたようなものから、東南アジアやインディアンの部族で使っていたトライバルデザインのものまで、何でもありのようだ。また、初めてタトゥーをするのに、まず小さなものというより、片腕一本入れるというように大胆になってきているという。女性は背中の腰に入れるのが流行っているようだ。


 Taiwan's new president (Asia)
 Strait is the gate

 台湾の馬英久氏が、5月20日に就任式を行い12代の台湾総統に就任した。2000年の台湾独立を掲げる民進党勝利以来、8年ぶりに政権が国民党に戻った。馬氏は「1つの中国」を定めた1992年の中台合意を基礎に対中政策を推進してゆく方針だが、「1つの中国」の解釈は双方で異なっている。つまり、主権を巡る論争には触れずに、両国の良好な関係を深めていこうという戦略だ。馬氏は「平和共栄の新しい歴史のページを開く」と宣言し、中国との関係改善を求めた。

 両国の対話は、来月再開される予定となっている。7月初めには中台のチャーター直行便の運航も開始される予定だ。馬氏は国際的な舞台で、中国の妨害なしに活躍できるよう望んでいるが、最近でもWHA(世界保健機構WHOの総会)でのオブザーバーの出席を中国から妨害されている。

 一方、中国も仇敵の国民党の総統が誕生したことを喜んでいる。だが、国民党内部では共産党が支配する中国との付き合い方についての議論が分かれており、今後の両国の話し合い如何では、問題が発生する可能性もある。今後の馬氏のリーダーシップが問われるところだ。



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