メキシコでの麻薬ギャングと警察、軍当局との「麻薬戦争」が熾烈さを極めている。今月に入って1週間で警察幹部が4人も射殺される事件が起きており、その他にも100人以上が麻薬関連の事件で殺されている。同様な組織犯罪とのかかわり合いの中で、1,100〜2,500人が殺害されたとも言われており、いわば異常事態だ。
こうしたことの原因の1つは、取り締まる側の警察そのものが腐敗して、一部が麻薬ギャングとつながっていること。今回の警察幹部の殺害にも、別の警察幹部が関わっていた。これでは麻薬組織の根絶は期待できないことから、カルデロン大統領は、1年半前に軍隊に呼びかけて「麻薬戦争」に当たらせることにした。
今週、殺人事件が多発しているシナロア州に2,700人の政府軍と警察部隊を投入することにしている。今や軍隊はメキシコ国内全域で麻薬の取り締まりに当たっており、当初は警察組織の改革までの一時的な措置と考えられていた軍隊の取り締まりも、恒常的な姿になりつつある。もっとも、こうした軍の圧力が効を奏したのか、麻薬組織内部の抗争事件を招き、死者が急増した背景となっている。