これだけ原油高になると、環境にやさしい電気自動車など引っ張りダコのような感じを受ける。当然、政府としてもこうしたメーカーの生産を奨励するような政策を打ち出すだろう。ところが、この分野で先導的な役割を果たしてきたゼン・モーター社やダイナスティ社などのメーカーがあるカナダでは全く事情が違う。カナダではこうした車の路上走行を認めていないのだ。
電気自動車は、大学のキャンパス、軍隊の基地内、公園など、特定の制限された区域内でしか走行できない。カナダ運輸省は、理由として電気自動車の安全性に疑問があるとしている。大型トラックなどとの衝突時に、車体が軽いため跳ね飛ばされてしまうというのだ。衝突実験でもあまりいい結果が出なかったとしている。
これに対し、米国では44州で走行が認められている。したがって、ほとんどの生産車が米国向けに輸出されている。電気自動車の難点といえば、さほど速度が出ない点。せいぜい時速50キロぐらいだ。だから、都心部の時速制限の厳しい地域なら、全く問題はなく走れる。カナダの電気自動車メーカーは苦戦をしいられており、3月にはダイナスティ社がパキスタンの会社に買収されてしまった。今後は、カラチに生産拠点を移すという。ただ、カナダのこうした規制は、現在のハーパー保守政権がアルバータ州など石油生産地域の支援を受けているからだとの指摘もあり、自動車関係者は「陰謀のにおいがする」とも言っている。