2008年4月19日号の注目記事


 Family policy in France (Europe)
 Baby about-face

 仏の少子化対策の歴史は古い。第1次大戦終了後の1920年に遡る。戦争で人口が減ったことを回復しようと始めた。その象徴的な政策の1つが、大家族カードと呼ばれる国鉄の料金割引パスである。3人以上の子供を持つ家庭に支給される。休日には大勢の子連れのグループが旅行に出かける風景が定着している。

 ところが、赤字財政に悩むサルコジ大統領が、歳出削減策の一環として、このパスの廃止を提案したところ、「このパスは、大家族主義の利点、仏人の生き方を示すものだ」と、人々から猛反対に会ってしまった。もっとも、そこは機を見るに敏なサルコジ大統領のこと、あっさり撤回してしまった。長年の少子化対策のおかげで、仏は今では欧州で最高の出生率2.0人を記録するに至っている。


 Coffee in Ethiopia  (Business)
 Direct from the source

 コーヒー豆の価格が、ここ10年で最高値を更新している。1つにはコーヒーを飲む人口が、中国人やインド人なども加え増加していることが挙げられる。一方で欧米や日本などの先進国では、消費者はより品質にこだわるようになっている。信頼性の高いものを求めているのである。自分たちが飲んでいるコーヒーがどこの産地のものかを知りたがっている。だから、品質の高いコーヒー豆は自ずと差別化される。ワインなどと同じように、かつては考えられなかったような高値で売買されているのだ。

 エチオピア、ケニヤ、タンザニア、ルワンダなど東部アフリカが世界で最高級のコーヒー豆の生産地である。その中でもエチオピアはアフリカで最大のコーヒー産地であり、昨年の売り上げは4億2000万ドル、貿易総額の36%を占めるに至っている。エチオピア政府は昨年、スターバックス社と契約を結んでいる。だが、3つの地域で生産しているコーヒー豆のブランド化を巡って話し合いがつかないため、世界の供給業者70社に向けてブランド名で販売するライセンスを与えることにした。


 Airline mergers (Business)
 Trouble in the air

 航空業界は今、2001年に起きた9.11事件以来の最大の危機に見舞われている。石油価格の高騰に加え、自滅的な競争の激化、クレジットラインの消失などがその原因である。こうしたことの対策として、デルタ社とノースウエスト社は360億ドルの合併に踏み切ることにした。世界最大の航空会社の誕生である。パイロットだけでも1万1000人を数えることになるが、前提条件としてまだパイロットの賃金や労働条件などの合意がなされなければならない。

 ここ数週間、各地で大小の航空会社が破産などに追い込まれている。それは、産業全体に及んでおり、特定のものに特化しているわけではない。特に石油価格の高騰が大きな打撃を与えている。合併を決めた両社とも、そこまで追い込まれているわけではないが、利益率が減少している中で早く対応を迫られていた。中でも双方の会社は燃料消費量の多い旧式の航空機を多数所有しており、これも足を引っ張っている一因だ。こうした改善は急にできるわけではないが、合併することで事務部門での人件費削減などが期待でき、年間10億ドルの削減ができると試算している。


 The Gurkhas (Britain)
 Trouble in the rear

 グルカ兵といえば、英軍部隊で活躍する外人部隊としては、昔から有名である。ネパールのグルカ族出身者で構成され、山岳戦や白兵戦に強いことで知られている。通常、退役した場合は本国のネパールに帰るのだが、最近では英国にとどまって住み着きたいとするグルカ兵が増えている。

 ところが、ネパールでは思わぬ共産党政権が出現したことから、事態が込み入ってきた。毛沢東派の共産党はつい2年前までは政府軍とゲリラ闘争していたことから、海外で同国民が部隊として活躍することを禁止するだろうと見られている。特に「傭兵」はいけないとしている。だが、実体は違う。彼らは英軍で200年前から活躍しており、現在も3,500人もいるグルカ兵たちは、英軍内で特別な法的地位を与えられている。給料も英国兵と変わらず、長期勤務後に退役した場合は、英国人の場合と同等の老齢年金を支給される。2006年には最終的に英国人と平等の地位を獲得している。こうしたことは長年にわたる退役グルカ兵たちの熱心な運動によるものだ。彼らはさらに2,000人の過去に退役した軍人に対してのビザ請求を行っており、それが実現することになるかもしれない。


 Climate change (United States)
 Lukewarm

 ブッシュ大統領は、4月16日に声明を出し、2025年までに温室効果ガスの排出の増加をやめると発表した。これまで地球温暖化対策にまったく熱意を示さなかったブッシュ氏だが、ここにきてようやく態度を変更した。もっとも、この変身は、地球温暖化に対する危機感から出たというより自分が嫌いな手段で削減されることへの抵抗といった側面が強いようだ。

 ブッシュ氏はこれまでも全体的な排出制限策には反対してきた。彼は今でも大幅な削減は経済に対する打撃が大きすぎるとして反対している。ほかの汚染物資と同じように単に排出を制限するという考え方を嫌っているのだ(最高裁は昨年、それでも構わないと裁定している)。技術革新を通して排出削減する事にこだわっているようだ。この声明は、翌日パリで行われる気候変動に関する主要経済国会合に合わせたものと見られているが、先進国が米国に期待しているような削減策から考えるとはるかに生ぬるく、今後批判が出そうだ。



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