2008年4月5日号の注目記事


 John McCain (United States)
 Warrior or warmonger?

 米国大統領の予備選挙で、共和党のマケイン候補が、民主党の2人の候補者たちの激烈な消耗戦を尻目に、着々と支持者の足場を固めている。彼の売りは、「ベトナム戦争の英雄」。ベトナム軍の捕虜として、数々の拷問を受けながら5年半の捕虜生活に耐え抜いた。米国大統領は戦時には最高司令官を兼任することになっているが、その資格は他候補の誰よりもあるというわけだ。例えば、「大統領の執務室と捕虜の監獄との共通点は、誰かが部屋に入ってくると、それは決まって悪いニュースということだ」とジョークを飛ばして、どんなハードワークにも難問にも耐えうる候補者であることをアピールしている。世論調査によると、大統領が持つべき望ましい経歴として、国民の48%が「軍隊経験者である」ことを挙げている。

 ここ最近、彼は自己の軍経歴に関係するところはもちろん、同じ軍人だった父や祖父の関連施設や学校などを回って演説している。もっとも、こうした経歴がそんなに大きく票を左右するわけではない。ベトナム戦争経験者はすでに物故者が多いし、60歳代に入ったベビーブーム世代は、ベトナム戦争への参戦を避けた人が多かった。何より、過去3回の大統領選で戦ったジョン・ケリーやボブ・ドールなどの「戦争英雄」の候補者たちはいずれも敗退しているのである。


 Turkey's government (Leaders)
 Courtroom drama

 トルコの法廷が、過去5年にわたり政権を握ってきた政党を政治の場所から締め出すかもしれない。この異常ともいえる事態を招いているのは、トルコの検察当局が憲法裁判所に対し、「国是の政教分離を侵している」としてイスラム系の与党・公正発展党(AKP)の解党などを求めて提訴。憲法裁は3月31日に、これを全員一致で受理したもの。提訴の中では同党出身のエルドアン首相など70人の幹部に対する5年間の政治活動の禁止も求められている。

 民主国家としては、いかにも異常な気がするが、トルコはケマル・アタテュルクが建国した1920年代から、政治は世俗主義で行われることになっている。10年前にもAKPの前身の福祉党が同じような目に会った例がある。

 しかし、今の政権は、過去に世俗派の政権がなしえなかった素晴らしい実績を挙げている――軍隊の文民統制、安定した高度経済成長の達成、刑法の近代化、クルド人などの少数民族や女性に対する権利付与――などである。その上、これまで40年間、誰も成し遂げ得なかったEUへの参加の糸口をつけた事などが評価され、昨年7月の総選挙では、地すべり的な大勝利を博した。だが、逆にこうした成功が、軍や世俗派の反感を買った。エコノミスト誌は、憲法改正を提唱しているが、今後の成り行きが注目されている。


 Tibetans in Nepal (Asia)
 Good neighbours

 チベット人の中国に対する抗議行動は全世界で展開されているが、2万人のチベット人が住んでいるネパールでは、中国と同じような強健による弾圧が行われている。

 これは、2年前に政権に就いた現政府が、中国よりの姿勢を示し、「1つの中国」政策を支持しているためだ。同国は現在、隣国のインドと険悪な関係にあり、そんなことから中国寄りになっているほか、政権の第2政党がマルクス・レーニン主義を標榜する共産党だという事情もある。

 もともとネパールは、中国の支配を嫌ったチベット人が逃亡用に使ったルートだった。そのため、多くのチベット人が定着した。中国は、偵察隊を同国に派遣、警察当局に取締りを強化するよう求めている。そのため、平穏なデモをしているだけで、警官から襲われて棒で叩かれるなどの暴行を受けている。毎日10人以上が逮捕されてその後に釈放されており、最近ではチベット人の格好をしているというだけで逮捕されるという。



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