中国の国会に当たる全人代が今週終了した。任期5年の首相に再選された温家宝氏は、年に1度の恒例の記者会見に臨んだ。2時間に及ぶこの記者会見は、中国の政権幹部が前もって準備した原稿なしに自由に公の場で発言できる唯一の場である。しかも、全国に実況中継されている。だが、記者団が浴びせる質問の大半には、明確な答弁が得られないままに終わった。
経済に関する質問には、「大きな懸念を抱いている」と答え、今年は中国にとっても「最も困難な年になるだろう」と見通しを語った。チベットについては、決して要求には屈しないと繰り返したが、台湾問題では、「仲の良い兄弟は過去の問題には触れない」との昔の詩を口ずさんだ。しかし、難しい質問が飛ぶと、陳腐な決まり文句を言うか、とりとめのない返事をするだけだった。
それでも、今年の全人代では注目すべきことがあった。それは、胡主席の後を次ぐと目されている李克強の登場である。同氏は今回、困難な経済の舵取りをすべく副首相に任命された。だが記者団から今後の政治的な構想を聞かれると、司会者がすぐさま「今日はその場ではない」として一言も発することができなかった。