2008年3月22日号の注目記事


 Internet jewellers (Business)
 A boy's best friend

 インターネット上では、宝石のような高価な商品の販売は難しいということが定説になっていたが、これが覆される事態が起きている。

 それは、ブルーナイルというオンライン・ショッピングに特化した宝石販売会社で、同種業者としては世界最大の規模を誇り、昨年の売り上げは、3億1900万ドルに達している。売り上げ好調なことから、数年前には英国とカナダでも販売を開始。両国でも販売を伸ばしている。さらに、先月には販売網を日本やシンガポールも含む12カ国に広げている。同社がインターネットを使った宝石販売を始めたのは1990年代末だった。ドットコム・バブルの崩壊の後、資本金を確保するため販売戦略に一大変革を行った。在庫を持たずに商品供給者側の窓になることに徹したのである。それで従来の宝石店の3割から4割安い値段設定ができるようになった。高額商品だと半値で供給できるという。

 面白いのは、商品を買う客の85%が男性だということ。商品の大半が婚約指輪で、ホームページを訪れ、商品を選定するのは女性だが、将来の婚約者の男性に買わせるということらしい。


 Elections in Iran  (Leaders)
 Conservative or conservative?

 10年前まで、イランでは「テヘランの春」と呼ばれる柔軟な政治姿勢の政治が展開されていた。8年間に及ぶイラクとの戦争の後、1997年と2001年の選挙で、穏健派のムハマッド・カタミ師の政権が成立。国内に個人と政治的な自由が確保された。しかし、2005年に現在の超保守派のアハマディネジャド大統領になってから事情は一変した。今回の総選挙でも、立候補予定者には資格審査があり、それも内務省と信仰上の資格を審査する監視者評議会のダブルチェックを受け、改革派の数百人の候補者が立候補できなかった。その結果、選挙戦は1990年代の改革派対保守派という構図ではなく、保守派同士での選挙という茶番と化してしまったのである。

 来年は大統領選挙が控えているが、これとて同じで、現職に対して3人の候補者が予定されているものの、多少経済政策に相違があるだけで、外交政策はたいして差がない。特に核開発にたいする権利は3人とも主張している。米国では、今年は新大統領が選出され、「歴史的な和解」ができるかもしれないが、内容的にはあまり期待できないのである。


 Handgun bans  (Business)
 Whose right to bear arms?

 米国の最高裁判所で、目下注目すべき裁判が進行している。連邦の護衛官が、仕事以外に自宅でも身を守るために拳銃を所持したいと、米国内でも最も銃規制を厳しくしている首都のワシントン市を訴えたのである。米国憲法では銃を所持する権利は認められているものの、これが市民全体に及ぶものか、それとも警官など公的な職務にある人間に限られるのか、最高裁の判断はこれまで下されていない。規制賛成者は、無駄な発砲による死者の救済になると主張するし、反対論者は、犯罪者しか持てない事になり「何秒かが大事なのに、警察は何分後にしか来ない」と反論している。

 今のところ、判事たちがどのような判決を下すかは明らかではないが、うち数人は「銃保持の基本権」を主張しており、場合によってはニューヨークなど市レベルで広がっている銃規制の動きは、大打撃を受けるかもしれない。


 Israel's technology cluster  (Business)
 Land of milk and start-ups

 米国のシリコンバレーはIT産業のメッカとして知られているが、イスラエルにもシリコン・ワディ(ヘブライ語で谷を意味する)というのがある。やはり、IT産業のメッカで、世界第2位の規模を誇っている。ここは、元祖といろんな点で似通っている。リスクを顧みずにさまざまな新機軸に取り組む意欲的な事業家で占められている。また、いくつかのエリート集団の大学や研究所を抱え、法的なサービスも受けられる。十分な資金力のあるベンチャーキャピタルも存在し、新規企業に対して資金提供をしている点でも両者は似ている。もっとも、規模はシリコンバレーの100億ドルに対し、17億6000万ドルと5分の1以下に過ぎない。

 イスラエルでは、特に特別の半導体や先端的な通信機器の開発に取り組む人間が多い。それというのも、若いころに果たさなければならないイスラエル軍の兵役義務が多分に影響しているという。人力不足の同軍では通信機器の開発が特に求められているからだ。開発者たちは、新たな商品を作り出すことに熱心で、マーケティングや販売の方にはあまり興味を示さない。したがって、会社を設立してすぐに米国などの大手企業に売って金儲けをするほうを好むようだ。


 China  (Asia)
 Unanswered questions

 中国の国会に当たる全人代が今週終了した。任期5年の首相に再選された温家宝氏は、年に1度の恒例の記者会見に臨んだ。2時間に及ぶこの記者会見は、中国の政権幹部が前もって準備した原稿なしに自由に公の場で発言できる唯一の場である。しかも、全国に実況中継されている。だが、記者団が浴びせる質問の大半には、明確な答弁が得られないままに終わった。

 経済に関する質問には、「大きな懸念を抱いている」と答え、今年は中国にとっても「最も困難な年になるだろう」と見通しを語った。チベットについては、決して要求には屈しないと繰り返したが、台湾問題では、「仲の良い兄弟は過去の問題には触れない」との昔の詩を口ずさんだ。しかし、難しい質問が飛ぶと、陳腐な決まり文句を言うか、とりとめのない返事をするだけだった。

 それでも、今年の全人代では注目すべきことがあった。それは、胡主席の後を次ぐと目されている李克強の登場である。同氏は今回、困難な経済の舵取りをすべく副首相に任命された。だが記者団から今後の政治的な構想を聞かれると、司会者がすぐさま「今日はその場ではない」として一言も発することができなかった。



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