2008年3月1日号の注目記事


 Bank of Japan  (Finance & Economics)
 Mood swings over Muto

 福井日銀総裁は3月19日に退任する予定だが、まだ後任が決まっていない異常事態が続いている。というのも、参議院で指導権を握っている野党の民主党が、自民党が推している武藤敏郎副総裁に難色を示しているためだ。このため福田首相は、何週間も決定を保留にしたままだ。民主党内での武藤氏に対する反対の理由は人によって異なる。1つには自民党がいつもの手口を使った――密室での人事――というもの。選出過程をもっと透明にせよということだ。もう1つは、武藤氏が大蔵省の出身であることがネックになっている。せっかくの日銀の独立性が危機に瀕するという理由だ。

 これと同時に金融政策の議論も高まっており、それに伴って他の候補者の名前も挙がっている。福井総裁は自分の任期中にゼロ金利の状態を「正常な」状態にまで引き上げたかったのだが、結局0.5%の引き上げに終わった。今は米国の景気が後退しており、当面は金利引き上げのチャンスはこないとみられている。日銀や政府部内には引き上げと引き下げの両論が出ており、こうした事も人事を遅らせる要因となっている。いずれにせよ、ギリギリまで総裁人事がごたつくことは、日本の政治の混乱を示している。


 Business in China  (Business)
 On the fake take

 1949年に共産中国が誕生して以来という大型経済犯罪が起き、世間を驚かせている。2月22日に、雲南省の裁判所で4人の男が領収書を偽造したとして有罪判決を受けた。問題はその額だが、1兆500億元(1470億ドル)というから驚きだ。これらの偽造領収書を使った場合、750億ドル相当の税金逃れができる計算だ。この事件は7つの省にまたがる大規模かつ広域なもので、捜査で1000万枚の領収書が発見され、移送にトラック2台を要したという。また印刷所も100カ所にのぼった。領収書は極めて精巧にできており、外見上はまったく本物と区別がつかなかった。

 最近は経済発展を反映してこの種の経済犯罪が頻発、一種の流行のような様相を呈している。昨年だけで3,000件の摘発があったという。このことを重視した政府は、今年1月から税務当局を通して人々に警告を発し始めた。こうした犯罪が横行する裏には、企業が偽領収書で税金をごまかそうとすることと、個人も使途をごまかす目的で使っている。一般に中国では会社は二重帳簿をつけているといわれているが、それも全くわからないという。


 Fashion in New Zealand  (business)
 Kiwis on the catwalk

 ファッションに関しては、無頓着な人が多いというのが、これまでのニュージーランド人に対する一般的な見方であったが、最近は様変わりしている。ファッション業界に大きな変化が起きているのである。最近はブランドメーカーも50社に増えている。

 10年前には一握りの会社しかなかった事を考えれば、大変身といえる。業界は活気にあふれ、業績も年々拡大している。しかも、その半数は輸出品である(オーストラリア向けが1番多いが、米国、英国、香港、日本などに輸出している)。ニュージーランドの商品が好まれている背景には、太平洋と自然にあふれた文化が先進国に受けている状況がある。素材に自然な物を使っている点も大きな評価を受けている。特に環境問題に敏感な消費者に好評だ。材質にメリノ種の羊毛を使った衣類は、斬新な色彩とデザインが好まれている。

 ニュージーランドは、欧米から遠隔地に位置していることも逆に良い効果を与えている。デザイナーは欧米の流行に左右されない。「これが一風変わったスタイルの商品を生み出している」といわけだ。


 Peru  (The Americas)
 Llamas and mash

 私たちの食生活に欠かせないジャガイモは、南米のペルーが原産地だったことは、ご存知だろうか。それも7000年も前から作物として栽培されていたという。今年は国連が「国際ポテト年」と指定し、世界的なキャンペーンを展開している。作付けを増やすことで、貧困と飢餓対策の一助としようということらしい。

 ペルー政府もこれを機会にジャガイモへの関心を高めてもらおうと、今年はジャガイモ料理のコンテストなど、さまざまなイベントを企画している。同国は首都リマに国際ポテトセンターを置いているが、せっかくの施設がまだまだ活用ができていない。まずは国内での作付けの推奨を行った方がいいのではないかとエコノミスト誌は言っている。ジャガイモは歴史的には3,500種類も存在するが、同国で実際に生産しているのは、わずか25種類に過ぎない。また、消費の方も1人当たり年間90キロで、世界最大の消費国ベラルーシに比べると4分の1に過ぎない。同国のガルシア大統領も、「われわれはジャガイモを、わが国の産物として見直さなければならない」という。

 ペルーには黄色ジャガイモなど、食感も味も良い品種もある。もっと努力をすれば、道は開けるかもしれない。



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