2008年2月23日号の注目記事


 Cuba, Latin America and the United States  (Leaders)
 Castro's legacy

 カストロ国家評議会議長が引退を表明した。キューバが米国の玄関先に位置する島国でもあり、今週のエコノミスト誌はトップ記事でこれを扱っている。カストロの約半世紀にわたる独裁政治の間、米国では10人の大統領が交代した。米国の輸出禁止の措置を受けながらも、独自の共産主義体制を維持してきた。今後の政治は、実弟のラウル・カストロが引き継ぐことになりそうだ。体制の本格的な変革は、カストロ死後になると見られている。どのように変わっていくのかは、2つのシナリオが考えられる。

 1つは、中国やベトナムのように、共産主義体制を維持しながらも、徐々に資本主義の市場経済を取り入れていく方法。もう1つは、体制の突然の崩壊により、民主主義国家に移行するというもの。実際には、その中間の道を進むとみられている。カストロは、政権を獲得してからは、ソ連に接近し、米国からの輸出禁止、CIAの軍事侵攻、度重なる暗殺未遂事件などを受けた。しかし、こうしたことが、独裁体制を正当化する背景にもなっていた。一時的には、世界的にも健康面や教育面では、模範的な国家となったが、ソ連の支援が途絶えるとともに、計画経済の失敗もあって、国民は貧困と警察国家の中で、不自由な生活を余儀なくされた。しかし、キューバ国民は、カストロ体制以外の物を知らない。

 改革で経済繁栄を享受するならば、このままの体制が継続していくことも十分に考えられる。今、米国は従来の輸出禁止政策を継続するのか、それを解除するのかの岐路に立たされている。キューバをあまり押し込めてしまうと、ベネズエラのチャべス大統領を利することにもなりかねない。


 Japan's pornography laws  (Asia)
 Fleshing it out

 日本の「ポルノグラフィー」についてエコノミストが論じている。外国人の物の見方が面白い。これは、米国人写真家ロバート・メイプルソープ氏(故人)の作品を巡っての争い。日本の出版会社の社長が輸入しようとしたところ、作品の中に「男性器の写真が含まれていてわいせつである」として輸入が禁じられた。この禁止取り消しを求めて裁判で争っていた。このほど、最高裁が作品の芸術性を認め、そのわいせつ性を否定したもの。同誌の記事では「この判決がわいせつ性の基準を緩めることになるかもしれない」と評価している。

「日本はソープランド(風呂のついた売春施設)で有名で、漫画もあらゆる欲望に応じて満足させるものを提供している」と日本の性の現場を説明し、その一方でポルノに関しては「映画では陰部などの露出度の高いものは上映禁止になったり、輸入雑誌や本も検閲の対象になる」「1990年代までは、陰毛の写真すら禁じられていた」。

 メイプルソープ氏の写真集は、男性器が問題になったのだが、「これはおそらく女性に赤面させないよう配慮したものだろう。それにしても、日本は公衆浴場でみんなが裸になる国だ。裸の女性の画像はいいのに、男性の裸だけはだめなのだ」。


 The Republicans  (United States)
 McCain turns his sights on Obama

 米国大統領選挙は、早くも共和党側がマケイン氏、民主党側がオバマ氏の2人の争いの様相を呈してきた。まだ民主党側では、3月4日のオハイオ州とテキサス州での予備選という大きな山場が控えているのだが、早くもマケイン氏はオバマ氏に絞った論戦を展開し始めたからである。

ヒラリー氏が相手ならば、国民の半数が「ヒラリー嫌い」なので、闘い易かったが、相手がオバマ氏になるとそうもいかない。見た目も良く、若く、知的で、スキャンダルもほとんど無いからである。また、上院議員になってからの経歴も浅いので、どう攻略していいのか頭を悩ましているようだ。

マケイン氏は共和党側の予備選ではほぼ独走の状態で、各州で勝利演説を行っている。その中で、オバマ氏に関し、政治家としての経験不足をあげ、自己と対比させている。「私は1番若い候補者ではないが、最も経験が豊富だ」としたうえで、かつてオバマ氏が同盟国パキスタンに侵攻すべきだと主張した点をあげ、「パキスタンやキューバなどの騒乱時に、的確な政治的判断とリーダーシップが取れるのか」と訴えている。また、オバマ氏は政策的にも伝統的なリベラルであることも弱点。マケイン氏にとり、確かにオバマ氏は手ごわい相手に違いないが、まだ攻略のチャンスは残されているようだ。



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