2008年2月16日号の注目記事


 The Hollywood writers' strike  (Business)
 The show goes on-for now

 ハリウッドで脚本家たちのストが起きてから3カ月。今月末に予定されていた映画業界最大のイベント・オスカー賞の受賞式の開催が危ぶまれていたが、2月12日にようやく大手メディアと脚本家との間の話し合いが合意に達し、危機は回避された。

 この長期ストで、双方に莫大な経済的損失が出た。脚本家たちは2億6000万ドルの収入を失い、テレビや映画関係者にも4憶4000万ドルの被害が出ている。テレビ局側にも視聴率の低下などの被害。それでも、関係者はストを決行して良かったという。これまではインターネット上で流れていたプログラムからは1円も収入がなかったが、今後は純益の2%の収入が入ることになったほか、ダウンロードした場合の収入も2倍になるという。これからは、インターネットやビデオが主流になるとみられることから、今回の合意はハリウッドの脚本家たちに喜びをもって受け入れられている。その意味で「大きな勝利」というわけだ。


 China's farmland  (Asia)
 This land is my land

 中国の一部の農民の間で農地を私有しようという動きが出て、政府をあわてさせている。昨年3月、土地所有に関する法整備が行われたばかりだが、まだ土地の売買はできないなど私有権としては不十分。都市部の住民しか恩恵に浴せない政府の政策に業を煮やしたのかもしれない。

 中国では土地は集団の所有ということになっている。問題は、その集団が誰を指すのかが明確でないこと。これゆえに地方政府の幹部が勝手に農民から農地を収奪したり、わずかの対価しか払わないなどで、各地で問題が発生していた。12月にインターネット上に黒竜江省の人間が「土地所有権を宣言する公告」との文書を流した。72村4万人の農民を代表して、汚職地方官僚から農地を守るために立ち上がったとの趣旨で、「土地所有権を死守する」よう呼びかけた。また、集団所有制度を悪用した官僚によって農民は「農奴」にさせられてしまっていると告発している。

 この動きは各地に飛び火した。しかし、中央政府は冷淡な対応しかせず、翌月には指導者は逮捕、勾留された。しかし、この動きはまだ終わったわけではない。北京在住の弁護士の話では、他の村の人々も同様な宣言をする計画をしているという。


 The Maldives  (Asia)
 Sea, sun and jihad

 新婚旅行の目的地の1つともなっている南海の楽園、モルジブがイスラム過激派の脅威にさらされている。モルジブには毎年65万人もの観光旅行客が世界中から訪れているが、おちおち観光もしていられなくなりそうだ。

先月には、ガユーム大統領が男からナイフで襲撃され、ボーイスカウトの少年から助けられるという事件が発生。昨年9月には首都マレの公園で爆弾が炸裂、日本人を含む観光客12人が負傷するテロ事件が発生している。さらに11月にはアルカイダ関連のホームページ上に、さらなる事件の予告がなされ、人々を恐怖に陥れた。同国の人口はわずか35万人で、政府は穏健なイスラム教を導入しているが、インターネットの影響か、若い人を中心に過激思想が広まっているようだ。

ガユーム大統領は30年間の長期政権を保持してきたが、5年前にデモなどの抗議活動や殺人事件がおきたため、民主主義の導入で今年選挙がおこなわれることになっている。テロ事件以後、事態を重視した政府は、過激派の取り締まりに本腰を入れており、すでに過激主義のイスラム教ワッハーブ派の信徒など300人の反体制容疑者を逮捕しているという。


 Russia and its history  (Europe)
 A Byzantine sermon

 ロシアの永久政権を狙っているプーチン大統領は、ついに歴史の歪曲にも手を染め始めたようだ。ロシアの権威の根拠をギリシャ正教とビザンチン帝国の継承者に置こうとしている。

 ロシアの支配者には行動を正当化するために歴史を利用する手をよく使う。プーチンにはそうしたところが当初からあった。スターリンが制定した国家をそのまま残したほか、スターリンの暴虐な政治も「必要悪だった」と正当化した。また、他国がソビエト時代の暴政に対する追悼行動などをすると、歴史を歪曲していると抗議するといった次第だ。

 そうした中、このほど国営テレビで放映した1時間番組「帝国の破壊。ビザンチンの教訓」が大きな話題を呼んでいる。プーチンの懺悔聴聞司祭がわざわざ制作、ナレーターをやっており、「ロシアはギリシャ正教の帝国としてしか存続できない」と結論づけている。問題は番組の内容だが、ビザンチン帝国が西側の蛮族のねたみを買って、13世紀には4度も十字軍の略奪を受けたとか、現代の西側の資本主義は、ビザンチン帝国からの収奪と、ユダヤ人高利貸の資金によって形成されたものだとか、一方的なもの。どうも、ビザンチン帝国の歴史を借りて、今のプーチン政権の反西側主義と外国人嫌いを正当化しようという試みのようだ。



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