ロシアの永久政権を狙っているプーチン大統領は、ついに歴史の歪曲にも手を染め始めたようだ。ロシアの権威の根拠をギリシャ正教とビザンチン帝国の継承者に置こうとしている。
ロシアの支配者には行動を正当化するために歴史を利用する手をよく使う。プーチンにはそうしたところが当初からあった。スターリンが制定した国家をそのまま残したほか、スターリンの暴虐な政治も「必要悪だった」と正当化した。また、他国がソビエト時代の暴政に対する追悼行動などをすると、歴史を歪曲していると抗議するといった次第だ。
そうした中、このほど国営テレビで放映した1時間番組「帝国の破壊。ビザンチンの教訓」が大きな話題を呼んでいる。プーチンの懺悔聴聞司祭がわざわざ制作、ナレーターをやっており、「ロシアはギリシャ正教の帝国としてしか存続できない」と結論づけている。問題は番組の内容だが、ビザンチン帝国が西側の蛮族のねたみを買って、13世紀には4度も十字軍の略奪を受けたとか、現代の西側の資本主義は、ビザンチン帝国からの収奪と、ユダヤ人高利貸の資金によって形成されたものだとか、一方的なもの。どうも、ビザンチン帝国の歴史を借りて、今のプーチン政権の反西側主義と外国人嫌いを正当化しようという試みのようだ。