アメリカでの麻薬汚染は根深いものがある。これまで、全国的に「麻薬との戦争」を展開してきたが、ここにきて最高裁が戦争から後退するような判決を出したため少し流れが変わりそうだ。
1970年に薬物規正法を出してから、同法違反で逮捕される人々が急増。年間41万人しかいなかった逮捕者が、今では年間189万人と4倍以上になり、刑務所はどこもいっぱいになっている。カリフォルニア州など、刑務所の収容者が191%に達するありさまだ。
麻薬は安くなりしかも大量に出回っている。今月に入って最高裁は2件の注目すべき判決を下している。1つは小物の売人で、15年の刑が下った。問題はこの刑期が従来の同様犯罪での判決指針に比べ4〜7年も下回ったのだ。もう1人にも寛大な判決が下った。そこで、翌日、指針を決定する判決委員会が、コカイン取引に対する刑期の年限を減らす決定を下した。
もっとも、麻薬事件の大半の判決は州裁判所が取り仕切っており、最高裁の決定が直接的に波及するわけではないようだが、「麻薬との戦争」は、よりゆりやかなものになりそうだ。