2007年12月15日号の注目記事


 Barack Obama (Leaders)
 The triumph of hope over experience?

 米大統領選挙が少しは面白くなってきた。つい最近まで、民主党のヒラリー・クリントンがぶっちぎりで党代表に選出されると予想されていたが、ここにきて2番手を走っていた黒人のオバマ候補ががぜん浮上してきたのである。

 3週間先に投票が行われるアイオワ州では、小差ではあるが世論調査でオバマ氏がトップに躍り出た。その5日後に投票が予定されているニューハンプシャー州でも、両者の差は無くなってきた。また、サウス・カロライナ州でも先頭に立ちつつある。

 大統領候補者を選ぶことに選択肢があることは、民主党にとっては良いことである。オバマ氏は「希望」を象徴する候補者といわれている。彼が勝てば、米国初の黒人大統領となる。インドネシアで教育を受けており、イスラム教の理解もある。これまでのワスプの大統領と違い、新時代を画するだろう。もっとも、政治家としては経験不足を指摘されており、「経験」を誇るヒラリーとの戦いが注目されている。


 Disputes in the South China Sea  (Asia)
 Whale and Spratlys

 中国はチベットを侵略して支配下に置いているが、南海においても支配権を強化している。北京オリンピックを意識してか、ここ数年は南の海での島々の領有権の主張を控えていた中国であるが、最近、散在する島々の名称を海南県「サンシャ市」と変更したのである。

 市とはいっても、人口もほとんどなく誤称といって良いようなものだが、少なくともこれら地域の行政的な格付けを上げたことは確かで、同じく領有権を主張している周辺諸国は警戒感を強めている。特に1974年までは、この地域に南ベトナムが守備隊を置いていただけに、ベトナムは首都ハノイでの中国大使館に対する抗議のデモを黙認している。

 周辺諸国はこれ以上の関係悪化はしないよう配慮しているが、今後、関係国で共同して行っている海底資源の探査などが成果を上げてくれば、問題が再燃する恐れは十分にある。


 Criminal justice  (United States)
 Powdered wigs

 アメリカでの麻薬汚染は根深いものがある。これまで、全国的に「麻薬との戦争」を展開してきたが、ここにきて最高裁が戦争から後退するような判決を出したため少し流れが変わりそうだ。

 1970年に薬物規正法を出してから、同法違反で逮捕される人々が急増。年間41万人しかいなかった逮捕者が、今では年間189万人と4倍以上になり、刑務所はどこもいっぱいになっている。カリフォルニア州など、刑務所の収容者が191%に達するありさまだ。

 麻薬は安くなりしかも大量に出回っている。今月に入って最高裁は2件の注目すべき判決を下している。1つは小物の売人で、15年の刑が下った。問題はこの刑期が従来の同様犯罪での判決指針に比べ4〜7年も下回ったのだ。もう1人にも寛大な判決が下った。そこで、翌日、指針を決定する判決委員会が、コカイン取引に対する刑期の年限を減らす決定を下した。

 もっとも、麻薬事件の大半の判決は州裁判所が取り仕切っており、最高裁の決定が直接的に波及するわけではないようだが、「麻薬との戦争」は、よりゆりやかなものになりそうだ。


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