今週のエコノミスト誌は、3カ月に1度のテクノロジーに関する特集(Technology Quarterly)を行っている。
今回は、インターネット上に構築された仮想空間と、現実の社会との間の新たな関係について論じている。インターネットが出現した初期の頃には、仮想空間を現実世界のさまざまな束縛から切り離されたデータだけが存在する世界とみなしていて、1996年春には、一部の活動家によって「サイバースペース独立宣言」なるものが出されたほどである。そこでは「我々は、いかなる特権、人種的、偏見、経済力、軍事力、生誕の場にとらわれることなく、すべての人が自由に入ることのできる世界を作りあげる」と高らかにうたっている。反対に、仮想空間が、人間をチャットやゲームの世界に入り込ませることによって、現実の友人や家族との対話をする時間が失われ、人間を「究極の孤立化をさせるテクノロジー」と評される向きもあった。
しかし、双方の見方は間違っていないようだ。仮想空間へも、現実世界からのアプローチ――税金、犯罪、詐欺など――が行われるようになっている。
今後のインターネットの世界は、グーグルアースのように現実世界と仮想世界が大きく融合していく方向に向かっている。テクノロジーの進化が、こうしたことを可能にしていく。現実世界と仮想世界が、相互補完的な関係を深めて、さらに連携を深めていくのであろう。