2007年11月17日号の注目記事


 Mobile banking  (Leaders)
 A bank in every pocket?

 携帯電話の進化は目覚しい。単なる通信手段から、カメラ、ビデオ、音楽配信など、様々な機能を持ち、さらに進化を続けている。これが、まだ発展途上の国々でも意外な力を発揮している。フィリピン、ケニヤ、南アフリカなどで、銀行の代用品として使われているのである。

 これらの国々では、全国にわたる銀行の支店網はまだ未発達。そこで、携帯電話の代理店が、こうした役割を果たしている。代理店に預金すると、携帯でメッセージが入り、メッセージを受けた人が代理店に行き金を受け取る仕組み。この方法で、いまや労働者の賃金、タクシーや運送業者の支払いなども行われている。1番人気があるのが、長距離の旅行をする時で、出発地で預金したものを到着地で受け取る。こうすれば、多額の現金を持ち歩かないですみ、安心できるという。

 しかし、こうしたシステムが十分に機能するためには、制度のありかたそのものの配慮が大事。銀行の代行をするのであるから、あまり厳しすぎても、またゆる過ぎてもいけない。その点、フィリピンは上手にシステムを構築している。携帯電話の銀行が2つ機能している同国では、あらかじめ規制をきちんと設定するのではなく、利用者の動向をみながら柔軟に規制を加減している。今後、こうした柔軟な対応がさらなる進化を呼ぶとみられている。


 Hong Kong (Asia)
 The iron ladies' contest

 12月2日に、香港で立法会香港島選挙区の補欠選挙が行われる事になっているが、これが目下、人々の大きな注目を集めている。というのも、この選挙に立候補を表明している2人の女性候補者が、いずれも高名で、将来の香港の方向を占う人たちだからである。

 1人は陳方安生女史で、かつて香港政庁の公務員のトップ(前香港政務長官)を勤め、全面的な民主化を求めている。もう1人は同政庁元保安局局長の葉劉淑儀女史で、中国本土の支持を受けている。2人の元役人は庶民レベルまで降りた選挙活動を展開している。葉劉氏は、4年前に「国家安全条例」の立法実務に当たっていたが市民の反感を買った経験がある。その後、スタンフォード大学に留学するなど、より市民的な装いを加えての登壇である。

 今のところ陳方氏の方が優勢であるが、葉劉氏にも来年に予定されている選挙で復活のチャンスがある。この2人が今後の香港政界の台風の目となりそうだ。


 Coffee (Business)
 Move over, espresso

 コーヒー産業に新たな変革が起きようとしている。サンフランシスコにあるリチュアル・コーヒー・ロースターズでは、クローバーというコーヒー製造マシンを開発し、昨年から売り出しているが、大きな反響を呼んでいる。コーヒーの新しいトレンドとなりそうだ。

 コーヒーを入れる製造法そのものに関しては、1世紀前にエスプレッソが世に出て以来、さほど進化はない。せいぜい使い捨ての簡便なコーヒーパックなどに開発の主力が置かれていた。しかし、コーヒーの味は、コーヒー豆をいかに上手に煎るかにかかっており、これが技術を要する点だった。このクローバーは、こうした要求に応える器械のようだ。同社では、昨年100台の器械を発売したが、今年はすでに300台が売れたとか。

 今後、世界中の喫茶店でお目見えするかもしれない。


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