2007年11月10日号の注目記事


 China (Asia)
 Beware of demob

「政権は銃口から生まれる」とは毛沢東が中国の共産革命時に唱えた言葉だ。もしかすると、この名言は、今の豊かな中国を脅かすことになるかもしれない。

 というのも、ここのところ、除隊した軍人達の不満が各地に渦巻いており、地方政府長に対して抗議行動を行ったり、ハンガーストライキを行うといった事態が起きているからである。

 伝統的に「人海戦術」を得意とする中共の人民軍だが、近年の近代化ともあいまって、膨大な数の陸軍兵士の人員整理が行われている。こうした除隊軍人は、従来は国営企業が吸収源であったが、国営企業も少なくなっており、従来ほど吸収できなくなっている。

 問題は、農村部から軍隊に入った人々で、故郷に帰っても何もすることがなく、社会不安の源泉になっている。毎年、何千件という住民の抗議行動が報告されている中国であるが、こうした旧軍人が、不満を持って多くの人々の「接着剤」となると、恐ろしい事態にも発展しかねない。

 豊かになった中国に忍び寄る影。オリンピックでうかれている場合ではないのである。


 Big oil (Business)
 Over a barrel

石油の値上がりは止まらず、1バレル100ドルも目前になってきた。おおかた、石油メジャー各社は空前の利益でホクホクだと思いがちだが、実はそうでもないようだ。

 第3四半期の営業成績を見ると、石油メジャー各社の利益は、昨年を頂点として、いずれも減っているのである。エクソン・モービル社を例にとると、第3四半期の利益は10%も落ち込んでいる。BPはさらに下がっており、他社も似たりよったりである。シティ・グループの分析者たちによると、石油メジャーの利益は平均で15%の落ち込みになると計算している。

 原因はさまざまである。石油の精製に膨大な金がかかることや、値上がりとともに産油国が契約を変更してきて税金を高くとるといった事態も起きている。さらには、石油掘削の労働力や設備の不足という事情もある。実際に経費の方が利益の倍にも達しているという。

 つまり、石油メジャー各社は、どんなに石油自体が値上がりしても、自らが産出しない限り、利幅はそんなに増えないのである。


 Google and mobile phones (Business)
 What, no phone?

検索巨人のグーグル社が、全く新しい商品を引っさげて携帯電話市場に殴りこみをかけて来るのではないか――そんな観測が、近年"Gphone"への人々の期待感を膨らましていたが、どうもその期待は大きくはずれたようだ。

実際に発表されたのは、「携帯向けソフトウエア群」の投入というものだった。「アンドロイド」と呼ばれるプラットフォームがそれだが、同社にとっては、一段と戦略的な内容となった。まだ商品化されてはいないが、アンドロイドのソフトは今月から出始めるというし、大きな渦を巻き起こすことは確実なようだ。仮にアンドロイドが、ウィンドウズのような世界標準になれば、携帯向け検索サービスでも広告収入を拡大することができ、そうなれば"第2のマイクロソフト"の座は確実となるとの観測もある。

いずれにせよ、架空だったGphoneと違い、アンドロイドからは目が離せない。


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