「政権は銃口から生まれる」とは毛沢東が中国の共産革命時に唱えた言葉だ。もしかすると、この名言は、今の豊かな中国を脅かすことになるかもしれない。
というのも、ここのところ、除隊した軍人達の不満が各地に渦巻いており、地方政府長に対して抗議行動を行ったり、ハンガーストライキを行うといった事態が起きているからである。
伝統的に「人海戦術」を得意とする中共の人民軍だが、近年の近代化ともあいまって、膨大な数の陸軍兵士の人員整理が行われている。こうした除隊軍人は、従来は国営企業が吸収源であったが、国営企業も少なくなっており、従来ほど吸収できなくなっている。
問題は、農村部から軍隊に入った人々で、故郷に帰っても何もすることがなく、社会不安の源泉になっている。毎年、何千件という住民の抗議行動が報告されている中国であるが、こうした旧軍人が、不満を持って多くの人々の「接着剤」となると、恐ろしい事態にも発展しかねない。
豊かになった中国に忍び寄る影。オリンピックでうかれている場合ではないのである。