2007年11月3日号の注目記事


 Argentina (Leaders)
 The coronation of Queen Cristina

「女王クリスチーナの戴冠」と題されたこの記事。主人公は、10月28日に選挙で選出されたアルゼンチンの新大統領、クリスティーナ・フェルナンデス女史である。民主国家の女性大統領を「女王」と呼ぶのも、何か大げさな気がする。しかし、前大統領が夫であり、その職を引き継ぐ形で選出されたことを考えると、ある意味でフェルナンデス「王朝」の継承者ということにもなるのかもしれない。

 国民の圧倒的な人気の中で選出されたこと自体は、もちろん問題ないが、王朝の前途はなかなか厳しいようだ。夫のキルシナー氏が、破綻した経済を立て直すために取った諸政策は、立派に経済の立て直したが、今度は逆にインフレを引き起こし、特に低所得層の生活を直撃している。いまやインフレ率は公式発表数字の9%の倍に達していると推測されている。

 このインフレを抑えるためには、公共投資を抑えたり、金利を上げたり、エネルギー関連の税率を上げるといった施策が求められている。また、また欧米の投資を招くためにも、親交のあるベネズエラ以外の国、特に米国とも交流を深めねばならない。女王の仕事はやっかいなことが多いのである。


 Social networking (Business)
 Face off

 フェイスブックが、ソーシャル・ネットワークの分野で華々しい活躍をしているが、今度は検索巨人のグーグルが大連合軍を引き連れて、反撃に乗り出した。11月1日に、グーグルとその連合軍は、ソーシャル・ネットワークをよりオープンなものにする計画を打ち出したのである。

 その名もオープンソーシャル。外部のソフト開発者たちが作ったプログラムを、参加ネットワークのどこでも使えるようにしたのだ。連合軍は、グーグルのオルクート、リンクドイン、ニン、hi5,フレンドスターなどなど。これら連合軍傘下のユーザーを全部合わせると1億人に達する。フェイスブックのユーザーの2倍の人数を擁することになる。

 フェイスブックが、今夏、部外のソフト開発者に対し、ネットワークの中で自作のプログラムを使えるようにしたのは、画期的なことだったが、難点はそのためには同社独自の言語を使ってプログラムを制作しなければならないことだった。しかし、オープンソーシャルでは、そんな必要はなく、ハードルはほとんどない。さて、一転して苦境に陥ったフェイスブック。どう反撃するのか。


 Iran (United States)
 Tightening a loose noose

 10月25日に、米国はイランに対する新たな制裁措置を発表した。イランの精鋭部隊「革命防衛隊」を大量破壊兵器拡散に関与している組織に指定するとともに、同防衛隊の中枢「コッズ部隊」をテロ支援組織に指定したのである。今後、米国内のすべての資産を凍結、米国の金融システムから排除され、米国企業は取引を禁じられる。

 こうした措置はイランに核兵器の製造を中止させようとの意図に基づくものだが、これまでの、欧米、国連の決議を無視続けてきた同国を、従わせようというのは難しいようだ。

 問題は、これ以上事態がエスカレートした時に、イスラエルがシリアに対して行ったように、米国がイランの原子力施設に爆撃を加えるのかという点である。だが、世論調査で見る限り、米市民の3分の2は、こうした爆撃に反対しており、おいそれと行動できない。それに、1バレル90ドルという石油の高値が、少々の制裁には抵抗できる経済的な力をイランに与えている。まだまだブッシュの思惑通りにはことは運ばないようだ。


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