2007年10月27日号の注目記事


 Internet firms (Business)
 Friend accepted

 先週のエコノミスト誌で、Facebook社の記事が載ったばかりだが、もう「友人」ができたようだ。10月24日に、インターネット巨人のマイクロソフト社が、Facebook社に、同社の株1.6%を2億4千万ドルで買うと申し出たのである。設立後わずか3年の会社。社長は23歳。しかも、この比率で会社の現在価格を計算すると150億ドルに相当する。

 何事も異例ずくめだが、これがIT産業でのメガヒットの実体なのだろう。もっとも、今月初めには、マイクロソフト社のCEOスティーブ・バルマー氏は「FacebookのようなSNSは、多分一時的な流行で終わるだろう」と公言していたというのだから、他人を欺く二枚舌とはこのことだ。

 "Microsoft clearly thought that it had no choice"と書いている通り、日進月歩で新しい技術、考え方が闊歩しているこのインターネットの世界で、新時代に生き抜くためには、さすがのマイクロソフトも他に選択肢は無かったのだ。

 同社は最初、adcenterというオンラインの宣伝ネットワークを作って、グーグルに対抗しようとした。それがあまりうまく行かないと、買収や提携といった形で宣伝面での強化を図ろうとしたが、グーグルに先を越されたりして、ことごとく失敗した。AOLの株を取得したのはグーグルであり、My spaceに宣伝を配信するのに成功したのもグーグル。Youtubeを買収したのもグーグルだった。マイクロソフトは絶望的になったのである。

 そして、今回の賭け。果たしてIT巨人各社の今後の勢力分野は? 今回のできごとで、ヤフーがかなり苦しくなった事だけは確かなようだ。


 The French presidency and the press  (Europe)
 The perils of open windows

 サルコジ大統領の離婚。前々からウワサされていて、実質的な離婚状態と言われていたサルコジ夫妻だが、大統領就任わずか5ヶ月で本当に離婚するとは。世に「仮面夫婦」など、日本の政界も含め幾らでもいるのに、というのが正直な感想だが、サルコジ夫人は自己の心に忠実な人なのだろう。

 フランスの新聞、テレビを初めとするマスコミは、今この話題で持ちきりだ。エコノミスト誌が"A media stampede"と表現するほど、サルコジ夫妻のプライバシーの中に「ドット殺到」している。中には16ページの特集を組んだ新聞もある。

 これは、首相を敬い、たとえ何かあっても「公衆が知るのは寝室のドアまで」としてきた従来のフランスのマスコミのスタンスからすると、奇妙な現象といえる。もはや衆知の事実だが、ミッテラン大統領は、何年にもわたり、愛人とその子供を自らのアパートの中に隠していたのである。

 では何故こうした現象が起きたのか。エコノミスト誌はさまざまに分析しているが、1種の現代人の心理分析ともいえ、興味深い。


 Europe's "blue card" plan (Europe)
 Not the ace in the pack

 ヨーロッパに低賃金の仕事を探しに来る絶望的なアフリカ人やアジア人は多いが、高度な技術者、専門家、医者などの職となると、ヨーロッパではほとんど探すことはできない。だから、高等教育を受けた人々は、職を探す時は、みなEU以外の国々を目指す。ちなみに、オーストラリアでは、人口の10%が高度な資格を持った外国人だ。カナダでは7%以上、米国ではぐっと下がって3%。しかし、EUとなると何と1.7%でしかない。

 これは問題である。経済の発展は、ヨーロッパに限らずとも、専門技術を持った労働者に大きく依存しているのである。こうした移民をどう獲得していくのか、が重要課題となっている。

 そこで、ヨーロッパ委員会は今週、移民希望者に対して「ブルーカード」(ブルーはEUの旗の色)を発給し、適正な職と、家族がより早くヨーロッパに入国できるようにする計画を発表した。1度域内に入れば、カードの保持者は、仕事を変えたり、EUへの入出ができ、しばらくすると、国の間を自由に行き来できるようになるという。

 確かに計画そのものは素晴らしい。しかし、そこが国家連合の悲しさだ。まだまだ、各国間で移民政策の違いがあるし、ブリュッセルの政策に抵抗する傾向がある。前途は多難である。


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