2007年10月13日号の注目記事


 Che Guevara  (Leaders)
 A modern saint and sinner

  没後40年のチェ・ゲバラ

 生前、アルベルト・コルダ氏によって撮影されたゲバラの顔写真は、いまや世界的なブランドとなり、Tシャツにはもちろん、煙草やアイスクリーム、果てはタットゥーにまでお目見えしている。40年前にボリビアでゲリラを組織しようとして捕まり射殺されたこの革命家はが、なぜ今もこう人々にもてはやされるのか。

 実際にはキューバ革命のことなど全く知らない若い世代に愛用されているゲバラ・Tシャツ。一種のファッションといえるだろう。しかし、近年は中東や南米での住民の間の反米感情の高まりの影響なども、ブームに一役買っていると指摘されている。

 その一方で、39歳と若くして死んだ革命家に対する憧憬のようなものもあるようだ。「政治の世界のジェームス・ディーン」に対する憧れといった感情か。また、彼を革命家というよりも、信念に殉死した一種の聖者のような見方をする人々もいるようだ。

 もっとも、エコノミスト誌は彼の負の部分も見逃さない。革命家としてカストロは銃殺の処刑部隊の長に指名し多くの人命を奪ったほか、革命への熱心な説得によって何千人もが闘争に参加し、結果として多くの人命が奪われることになった。

 そして、独裁政治を創設し民主主義の普及が遅れることになった、としている。


 Sumo wrestling  (Asia)
 Heavy petting

 「身の毛のよだつような死がすでに病んでいる国技に打撃を与えた」との副題のついた記事。エコノミスト誌が相撲に関する記事を書くことは極めてまれだが、そのまれな事態が今回起きた。時津風部屋で起きた今回の稽古後の力士の死亡事件と、それが象徴している角界の問題点について論評しているのである。

 この事件で日本相撲協会は親方の山本氏を解雇した。協会が1920年に設立されてから2人目の解雇者である。角界にとってここ最近続いている不祥事の1つと言える。

 こうした問題に加え、相撲の人気は下り坂になる一方。観客の数も減っているが、なにより相撲取りになりたがる人間が減ってきているのだ。名古屋場所では入門規定が制定された昭和11年から新弟子検査の受験者がゼロになるという異常事態にまで発展している。さらにこの事件でせっかく新弟子を志願した力士の卵からキャンセルが相次いでいるという。いわば危機的状況である。

 その他、最近では外人力士の方が相撲を賑わせているといった点も採り上げられている。いずれにせよ、人気挽回に向けて、相撲協会の徹底した改革と奮起が望まれる。


 Iraq (Middle East & Africa)
 Blackwater in hot water

 ブラックウォーターという米国の民間軍事会社が、その攻撃的な事件で、米国とイラク双方の政府から非難を浴びている。ブラックウォーターは、米国政府と契約を結んでいるが、この事件は、9月16日にバグダッド市内の人通りの多い交差点で、ブラックウォーター社の車列が差しかかかった時、同社の要員が突然、近くの車や通行人に無差別に発砲して、17人の死者と多数のけが人を出したというもの。

 同社は「先に攻撃を受けた」と主張しているが、イラク政府は攻撃などなかったと、この主張を否定している。同社は事件後も活動を再開しているが、イラク政府当局は6カ月以内のイラクからの撤退を求めている。また各被害家族へ800万ドルの補償金を要求している。同社以外にも民間軍事会社による殺人事件が10月10日に、バグダッド市内で起きており、こうした会社に対する風当たりは強くなっている。

 イラクでは外国要人に対する警護に当たる民間軍人が、推定で2万人から3万人もいると見られている。しかも彼らはイラク国内法の対象外であり、契約している外国からも規制はほとんど受けていない。こうした事態に米国議会も動き出している。

 民主党は、下院で政府との契約社に対する説明責任を課する法案を通過させた。法に違反した場合、FBIの捜査が及ぶことになる。しかしブラックウォーター社は、米国政府と10億ドルもの巨額契約を結んでおり、ブッシュ政権との強いつながりが指摘されている。

 根は相当深いようだ。


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