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 Business


The Economist 2008年5月3日号

 

欧州の取締役会
European boards (1)

女性の職場
Jobs for the girls
(2008年5月3日 マドリード)

スペイン政府は、企業にもっと多くの女性を管理職に任命して欲しがっている

スペインの臨月に近い国防大臣が4月初めに軍隊の視察を行ったが、スペイン人女性にとってこの光景は、機会の新時代の幕明けを告げることになったようだ。スペインは欧州で、女性が男性を閣僚数で凌駕した最初の国家である。ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は、同国初の女性国防大臣であるカルメ・チャコン氏を含め新内閣で女性9人、男性8人の閣僚を任命している。

政治の世界で突然の優位を占めるに至ったものの、ビジネスの上級職でみると女性はほとんど存在しないも同然だ。圧力団体の欧州女性専門家ネットワークと就職斡旋企業のエゴンゼンダーの研究によると、スペイン企業内での取締役会の女性の数は、わずか4.1%に過ぎない。これに対し欧州平均は11%だ(図表参照)。

こうしたことは、イタリアを除き他の欧州諸国と比べて、仕事をするまでに至る女性の数が少ないことが、一因である。投資銀行のゴールドマンサックスのケビン・デイリーの研究によると、スペインでの男性と女性との間の就業率の差は20ポイント以上にも達している。家事と仕事を両立させることは、どこでも苦労を伴うものだが、他国に比べて特にスペインでは難しいようだ。同国の女性は、男性に比べて育児も含め家庭の雑事にはるかに多くの時間を費やしている。1日の就労時間の長さは――長い昼食休憩[訳注:シエスタのこと。スペイン語圏を中心に、生活習慣として社会的に認められている昼寝を含む長時間の昼休憩(午後1時から4時が目安)を指す]のおかげで夕方まで延長されているものの――何の助けにもならない。「スペインの取締役会での差別」と題する学術的研究論文の著者ルース・マテオス・デカボによると、夜の9時か10時に帰宅するのでは、家庭と仕事とのやりくりは実際はほんど不可能だという。

マテオス女史と共著者は、何故こんなに女性が少ないのかに関して、同国の上位1,000社の取締役会を分析研究した。その結果、役員室はクラブ風な排他的な存在で、異性が入ることは、力となるよりも邪魔な存在になるとみられることが分かった。

こうした事態を変えようと政府は、2015年までに女性取締役の割合を40%にまで増やすよう企業に求める法律を通過させた。すでにノルウェーは、同様な割り当てを企業に対して行っているが、結果は企業によってまちまちだ。というのも、適格者の女性が不足しているためである。最も有能な女性の場合は、35社の取締役を兼任しているほどだ。

スペインでは、この目的は主に象徴的な意味合いにある。ノルウェーの場合とは違って、企業は目標を達成できなくても金銭的な反則金を課せられることはないからだ。だが、公的機関が締結する契約などの際には、企業のそうした達成率が考慮される可能性がある。まずは手始めに取締役の候補者の適格性を高めるために、十分な経験を積ませることのほうが女性たちにとっては有益なのかもしれない。最初は労働時間をもっと適正にすることを奨励することもいいだろう。スペイン企業の取締役会も、代役となりうるような学究的な仕事についている女性などのヘッドハンティングを考えてもいいのではないか。

楽観的な見方の論拠もある。20代の女性で見ると、労働力として働いている女性の割合は、米国よりスペインの方が大きいのである。銀行家でもあり、通信事業会社のテレフォニカの取締役でもあるエヴァ・カスティージョは、スペイン企業の中での女性の地位が向上するのは時間の問題だと言う。「自然と変わってきています。世代の問題なのです」。

 






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